残業しているスタッフから食事介助に時間を取られ過ぎるという意見をよく聞きます。
患者さんのペースや食事量など個別性が強くあるため、所要時間が人によって異なりますよね。

今日の食事介助の患者さん多くて仕事終わる気がしません😥
介助しようとしても傾眠で食事進まない人とか、嚥下悪くてむせそうな人とか、、、

お!?
ちゃんと食事介助の情報収集出来てるね👍
それなら、効率よく回る計画立てられそう!

どうでしょう。
昨日もバタバタで食事介助に時間がかかり過ぎて
残業になりました💦

たしかに個別性は必要だし、所要時間も人それぞれ。
でも、工夫次第で時間削減出来るよ👍
この記事でわかること
- 食事介助を安全に効率よく行う方法がわかる
- 食事介助の時間帯別でするべき行動がわかる
私は急性病院で働いており、毎回介助する患者さんが異なる状況が日常的にあります。
その中で、時間をうまく使った食事介助方法が出来るようになり残業するほど時間をかけることが無くなりました。
その方法を紹介します👍
様々な職場環境がありますので、自分のやり方や職場で使えるな😃と、思ったことはぜひ実践してみてください👍
今回は、夕方の食事介助というシチュエーションで行っていきます。
安全で効率の良い食事介助のコツ 食前編
食前1:離床可能な人は離床して提供する

そろそろ食事配膳の時間になるから内服薬の確認と血糖測定しとこ!

準備は内服薬と血糖測定だけ?
離床はしなくていいの?

昼は離床して提供してましたけど、夕方はスタッフが少ないのでベッド上で食事介助しようかと。

スタッフが少ないっていう理由だけで離床しないのは判断が尚早かも😅
感染症などで隔離していないのであれば、
別々の部屋で食事介助するより
デイルームに集めて同時に食事介助した方が動線短いし
食事の様子も常にわかるからどうかな?

それだと食事の前後で離床する時間がとられません?
逆に時間がかかりそうかも。

たしかに!
移乗に3.4人必要とか
同じ部屋に3.4人食事介助の人がいる
など場面によっては離床する方が非効率な時もある!
今回に関しては
食事介助に時間がかかる人が複数人別々の部屋にいるから、離床させた方が効率もいい。
姿勢よく出来るし、誤嚥の有無の観察できるし安全面でもいいかも👍

そういわれてみれば、そうですね!
よし!離床しましょう!

ベッドは治療や睡眠をとる場所であって
食事する場所では基本ないからね😁
- 離床可能であればデイルームなどに集めて食事介助することを検討する
- 効率化以外にも患者の覚醒を促すことや適切な姿勢で食事をとれるなどメリットは多々あり
食前2:配膳前に覚醒を促し食事の準備をする

〇〇さん、配膳したけど傾眠あって食事が進まないんです😅
まだ、眠たい、、、zzz

もしかして、配膳する時まで横になって寝てたり?

はい、今までベッドで寝てました😅
起きてくれると思ったんですが。

配膳する前から覚醒を促して
これから食事っていうことを意識してもらわないとね!
僕らも寝てる所を急に起こされて
「冷めちゃうから早く食べ始めて」
って言われても、眠いから無理😪ってなるよね!

たしかに!
寝起き直後に食べるの無理って思います😅
・傾眠や食前まで寝ている人は配膳前から覚醒を促すようにする
安全で効率の良い食事介助のコツ 食事編
食事1:食事の姿勢を適切に

〇〇さん、すぐにむせてしまって食事食べられないです。

ポジショニング全然出来てないね💦
これじゃ、うまく食べることはできないよ💦

頭は上がってますし、食べられる姿勢かと、、、。

自分でその姿勢になるとわかりやすいけど、
間違った姿勢で一番多いのが
✅体が下にずれてて胸の位置からベッド挙上。
✅顎が後ろにのけぞっている。
っていうのが多いね!

時間に追われて頭部ギャッジアップしてテーブル用意することだけを気にしてました💦気をつけなきゃ💦

頭部ギャッジアップは腰の位置から
挙上出来るように体を上にあげるのが基本だよ!
顎が後ろにのけぞった状態で嚥下すると
高確率でむせるから必ず気にしてね👍
前胸部と顎の間隔が握りこぶし1個分くらいにはしたいね!
食事姿勢で必ず気にすること
・頭部ギャッジアップは必ず腰から挙上出来る体の位置に調整する
・顎が後ろにのけぞらない様に枕やクッションを使用
※ポジショニングは個別性が重要なため、STや嚥下機能認定Nsなどに相談が必要な場合もあり
食事2:必ず患者と同じ高さの目線で食事提供

◎◎さん、食事の時に上を向いてよくムセてしまうんです。

もしかして食事介助の時に立ったまま提供してない?

いろんな患者さんの所を回りながら提供するから、立ったまま介助していることが多いですね。色々と同時進行しながら出来るし!

患者さんは提供者の顔の方を向いて食べる人が多いから、誤嚥しやすいんだ💦他にすることがあって忙しいかもしれないけど、必ず同じ目線の高さで提供するようにしようね!会話もその方が自然に出来るし😁

毎回座るのはしんどいから
ベッドの高さを上げるのもありですかね!?

出来るだけ避けた方がいいかなー。
ベッドからの転倒・転落リスクを考慮した上で大丈夫って確信持てるならいいけど😅
・介助者は誤嚥予防のために患者と同じ目線の高さで食事を提供する方が良い
食事3:食事提供のタイミングの目安は喉の動きを見る!

次のご飯の1口を提供しようとしても、まだ口にしっかり残ってる事が多くて💦急かしてるみたいで気の毒だなぁと思っちゃいます。
あとは提供する手が空振りすると急いでいる時は時間に追われて焦っちゃったり💦

食べ物を嚥下しているかの評価は喉の動きを注意して見るとわかりやすいよ!
当然、1回の嚥下で1口の量を全部飲み込める人ばかりではないから、ちゃんと個別に観察して傾向を把握する必要はあるけど!

今までは口の動きでなんとなく見てましたけど、今度から喉の動きを見るようにしてみます👍
・嚥下のタイミングは口の動きより喉の動きを見て把握する方がわかりやすい
食事4:一口量の目安は人それぞれ!患者の嚥下量に合ったスプーンの大きさを考える。

スプーン1杯分を口に入れても、咀嚼中に口からこぼれることが多いんです😅スプーンが大きすぎるんですかね?

たしかにその可能性はあるね!
あとはスプーン1杯分の食事を口に全部入れようとしてない?
上唇や上あごにスプーンでこすりつけるように提供してない?

せっかくスプーンに乗せた食べ物を1回で口に入れようとしてました😅スプーンを上に傾けて、ちょっとこすりつけるように💦
嚥下食やミキサー食だとスプーンに残りやすいので、特にやっちゃってましたね💦

自分の食事でも思い出してもらうとわかるけど、
1口の量って唇を使って無意識に調整してない?

言われてみれば!
たしかに!

スプーンに食べ物が残っててもいいから、
口から水平にスプーンを抜くと、その量で意外にこぼさなくなるかも!
こぼさなかったら、適切な1口量に近づけてるってことだね👍
当然、誤嚥予防にもなるよ!
・スプーンの大きさを変更して1口量に近い食事量の検討をしてみる。
・頑張って1回のスプーン1杯分を口に入れようとしない
安全で効率の良い食事介助のコツ まとめ
・食事は適切な姿勢を整えて覚醒を促してから、提供する。
・食事の提供方法(介助者の食事時の向き合い方、スプーンの大きさ)を個別に検討してみる。

早速、今日からやってみよう!
意外に知らなかった、患者の食事の一面が見られるかも!?